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アイコラ裁判判決文(平成18年4月21日)(参考)

平成18年4月21日宣告  裁判所書記官 ■
平成17年刑(わ)第5073号,平成18年刑(わ)第989号 各名誉毀損被告事件

判       決

   被告人 ■
    氏名 ■
  生年月日 ■
    本籍 ■
    住居 ■

    職業 ■
公判出席検察官 ■

主       文

        被告人を懲役1年に処する。
        未決勾留日数中50日をその刑に参入する。
        この裁判が確定した日から3年間その刑の執行を猶予する。
        訴訟費用は被告人の負担とする。

理       由

【認定事実(罪となるべき事実)】
 被告人は■被告人方に設置したサーバーコンピュータをインターネットに接続して,インターネットサイト「■」を開設・管理していたものであるが,氏名不詳者らとそれぞれ共謀の上,

第1 別表1記載のとおり,平成16年8月6日から平成17年2月21日までの間,前後23回にわたり,いずれも上記被告人方において,上記サーバーコンピュータに開設された上に「■」内に,乳房等を露出している女性の画像の顔部分に■の顔の画像を重ねるなどしてあたかも同人の裸体等を撮影した画像に見えるように合成されたいわゆるアイコラ画像を掲載し,同年4月26日ころまでの間、これらを不特定多数の者に閲覧させ,

第2 別表2記載のとおり,平成16年7月20日から平成17年3月4日までの間,前後30回にわたり,いずれも上記被告人方において,上記サーバコンピュータに開設された上記「■」内に,成功中の男女ようの画像や乳房等を露出している女性の画像などに■ほか12名の裸の画像を重ねるなどしてあたかも同人らの性交渉や裸体等を撮影した画像に見えるよう合成されたいわゆるアイコラ画像を掲載し,同年4月4日ころまでの間,これらを不特定多数の者に閲覧させ,

もって公然と事実を摘示し,上記■ほか13名の名誉を毀損したものである。


【事実認定の補足説明】

1 弁護人は判示各事実につき,いずれも被告人は無罪であると主張している。すなわち,①本件で問題になっている「アイコラ」というのは,「アイドル・コラージュ」の略称であり,よくできた合成写真すなわち偽物であることを前提に享受されるものであって,これを見る者において,対象とされた芸能人が本当にそのような姿態をさらしたなどと誤解することは考えられないものであるから,本件において,名誉毀損罪(刑法230条1項)にいう「事実の摘示」があったと見ることはできないし,被告人において,自分が開設・管理するインターネット上の画像掲示板に「アイコラ」が投稿(アップロード)されることを認識していたからといって,被告人に名誉毀損罪の故意があったということはできないものである,また,②被告人は,問題の「アイコラ」を投稿した者とは何の面識もなく,直接連絡を取り合ったこともなければ,インターネットを通して意思連絡を取り合ったこともないのであって,各投稿者と共同して名誉毀損罪を実行する意思の形成があったとはいえないのであるから,各投稿者と「共同して犯罪を実行した」(刑法60条)と評価することはできない,というのである。しかし、当裁判所は,被告人につき名誉毀損罪の共同正犯が成立すると判断したので,その理由を補足して説明する。

2 「事実の摘示」の有無について
(1) 確かに,ある表現行為が他人の名誉を毀損するものであるか否かは,その表現行為のなされた文脈を抜きにしては判断できないものであり,本件起訴に係る画像(以下「本件アイコラ画像」という。)について見ても,その発表された文脈を前提にする限り,これが他人の名誉(社会的評価)を毀損する可能性というのは,それほど高いものではなかったといってよいと思われる。すなわち,本件アイコラ画像は,判示に係るインターネット上の画像掲示板(以下「本件掲示板」という。)に掲載されたものであるが,関係各証拠によれば,本件掲示板は,そのタイトル部分に,「無修正アイコラなどの18禁画像を含んでおります。18歳未満の方は退場してください。」,「この掲示板は画像のアップロードが可能です。どしどし投稿お待ちしております。」と書かれており,これを見る者をして,いわゆるアイコラ画像を対象とする画像掲示板であると認識せしめるに十分なものであったことは明らかである。そして,いわゆるアイコラ画像なるものは,アイドル・コラージュの略称であって,アイドルタレントの顔写真をヌード写真等の別の女性の顔とはり替えることによって「コラージュ」を作り,あたかもそのアイドルタレントがヌード等の姿態をさらしているかのような合成写真を,デジタル技術を駆使して作成したものをいうのであるが,見る者が勝手に妄想をふくらませて楽しむことを主眼としたものであって,そのアイドルタレントが真実そのような姿態をさらし,それを撮影されたものというメッセージを伝えることを予定したものではない。しかも,本件アイコラ画像は,その内容を見ても,その多くは,対象とされたアイドルタレントが陰部を露出したり,性交したり,口淫したりしているかの如き画像であって,著名なアイドルタレントが真実そのような姿態を写真に撮らせたとはおよそ信じがたい内容のものであった。したがって,本件アイコラ画像がアイコラ画像であることを前提に享受されている限りにおいては,対象とされたアイドルタレントの名誉(社会的評価)を毀損する可能性は,それほど高いものではなかったといわなければならない。この点に関する弁護人の主張には傾聴するべきものがある。

(2) しかしながら,他方で,名誉毀損罪(刑法230条1項)は,抽象的危険犯と解されており,一般的に見て,他人の名誉(社会的評価)を毀損するおそれがいささかなりとも認められる限り,その成立を認めるべきものと解される。このような観点から本件を見るに,本件アイコラ画像は,いずれも極めて精巧な合成写真であって,画像を見るだけでは,これが合成写真であることを見抜くことはほとんど不可能であって,その生々しい臨場感の故に,アイコラ画像についての前提的な知識を有している者に対しても,対象とされたアイドルタレントがあるいは真実そのような姿態をさらしたのかもしれないと思わせかねない危険性をはらんだものであったことは否定できない。特に,判示第2に係る別表2の番号18のアイコラ画像については,それに付記された文言の内容や体裁と相まって,対象とされたアイドルタレントが真実SMクラブに通っているところを目撃され,写真に撮影されたものと受け取られる危険が多分にあったものと認められる。のみならず,被告人も自認するとおり,アイコラ画像についての知識を全く有していない者が本件掲示板を見てしまう可能性も否定しきれないのであって,そのような者が本件アイコラ画像を見れば,対象とされたアイドルタレントが真実そのような姿態をさらしたものと誤解することは確実であった。したがって,本件アイコラ画像について,他人の名誉(社会的評価)を毀損するおそれがあったこと自体は,これを否定し難いものといわなければならない。
(3) 以上のとおりであるから,本件アイコラ画像を本件掲示板に掲載する行為は,名誉毀損罪にいわゆる「事実を摘示し,人の名誉を毀損した」ものといわざるを得ない。

3 故意の有無及び共同正犯の成否について
(1) 関係各証拠によれば,検討の前提となる事実として,①被告人は,インターネット上の画像掲示板(本件掲示板)を開設・管理していたものであるが,本件掲示板を開設するに当たり,そのタイトル部分に,「無修正アイコラなどの18禁画像を含んでおります。18歳未満の方は退場してください。」,「この掲示板は画像のアップロードが可能です。どしどし投稿お待ちしております。」と記載して,未成年には見せられないようなアイコラ画像の投稿を呼びかけたこと,②この呼びかけに応じて,本件アイコラ画像を含む3枚のアイコラ画像が本件掲示板に投稿されたこと,③被告人は,格別の削除依頼があったものを除いては,投稿されたアイコラ画像を削除することなく,本件掲示板の利用者の閲覧に供していたこと,④被告人がかかる挙に出たのは,いわゆるバナー広告による広告料収入の増大をもくろんでのことであったこと,以上のとおりの事実が認められる。

(2) 前記(1)規定の事実関係によれば,被告人は,本件掲示板を開設するに当たり,本件で問題になっているような卑わいなアイコラ画像が投稿されるであろうことを認識しながら,これを容認・慫慂したものであることが明らかであり,その結果,被告人の認識内容に照応する多数のアイコラ画像(本件アイコラ画像)が投稿されるに至ったものであるから,被告人につき,故意が成立するための認識に欠けるところはなかったものと認められる。

(3) また,前記(1)認定の事実関係を前提に判断すると,被告人は,自らの利益のために,未成年者には見せられないようなアイコラ画像の投稿を容認・慫慂したものであり,しかも,被告人による本件掲示板の管理行為が本件各犯行の不可欠の前提をなすものであったことからすれば,被告人に正犯意思があったことは明らかである。そして,本件アイコラ画像を投稿した者において,本件掲示板を開設・管理する者がアイコラ画像の投稿を呼びかけていることを認識しつつ,これに呼応して本件各犯行を敢行したものであったことからすると,そこに共同正犯成立の前提となる意思の連絡ないし相互利用補充関係を肯定することも可能である。したがって,被告人は,本件アイコラ画像を投稿した者とともに,共同正犯の責任を負うものといわなければならない。

4 以上の次第で,被告人について,名誉毀損罪(刑法230条1項)の共同正犯が成立するものと判断した。

【法令の適用】

被告人の判示各所為は,判示第1に係る別表1及び判示第2に係る別表2の各番号ごとに刑法60条,230条1項にそれぞれ該当するところ,判示各罪について所定刑中いずれも懲役刑をせんたくし,以上は同法45条前段の併合罪であるから,同法47条本文,10条により犯情の最も重い判示第2に係る別表2の番号18の罪刑に法定の加重をした刑期の範囲内で被告人を懲役1年に処し,同法21条を適用して未決勾留日数中50日をその刑に算入し,情状により同法25条1項を適用してこの裁判が確定した日から3年間その執行を猶予し,訴訟費用については,刑事訴訟法181条1項本文により全部これを被告人に負担させることとする。

【罪数の評価についての補足説明】

なお,弁護人は,判示各罪は観念的競合の関係にあると主張している。そこで,併合罪の関係にあると判断した理由を補足して説明するに,本件掲示板の利用者が被害者の名誉を毀損しかねない画像を本件掲示板に投稿する度ごとに(つまり判示第1に係る別表1及び判示第2に係る別表2の各番号ごとに),一つの名誉毀損罪が成立すること自体は,弁護人も争うものではないと思われる。問題は被告人の行為が本件掲示板の管理行為のみであることをとらえて,被告人に成立する犯罪が観念的競合の関係にあると解することができるかどうかであるが,共同正犯においては,被告人がした事実的行為のみを分析の対象にするのは相当でなく,「共同実行に係る行為」が「1個の行為」といえるかどうかによって観念的競合の成否を考えるべきものと解される。そして,本件の「共同実行に係る行為」としては,被害者の名誉を毀損しかねない画像を本件掲示板に投稿した行為の一つ一つをとらえるべきものと解されるから,これらをまとめて「1個の行為」とみる余地はない。したがって,被告人に成立する犯罪は併合罪の関係にあると解するのが相当である。

【量刑の理由】

1 本件は,インターネット上の画像掲示板(本件掲示板)に,卑わいなポーズをとっている女性の裸体画像の顔の部分に本件被害者らの顔の画像を重ねるなどして,いかにも本件被害者らが卑わいなポーズをとっているところを撮影された画像であるかのように見える精巧な合成写真(いわゆるアイコラ画像)が多数掲載されたことについて,上記画像掲示板を開設・管理していた被告人が,これらの画像を投稿(アップロード)した者とともに名誉毀損罪の共同正犯としての責任を問われたという事案である。

2 本件起訴に係るアイコラ画像(本件アイコラ画像)は,いずれも,これを見る者をして,本件被害者らが本当に卑わいなポーズをとっているところを写真に撮影されたものと思わせかねない迫真性を備えた精巧な合成写真であり,このような画像が公衆の目に触れるところに掲載されていることを本件被害者らが知ったならば,甚大な精神的衝撃を受けることは確実と見られるものであった。しかも,本件アイコラ画像は,世界中の誰もが制限なく見ることのできるインターネット上の画像掲示板に掲載されていたのであるから,本邦のみならず広く海外にまで被害を拡散させる危険があった上,閲覧した者がダウンロードして個人的に保存しているものについてはもはや回収することができないのであるから,将来にわたって被害を発生させる危険があったものである。したがって,本件被害者らが,「まったく私が知らないところで勝手に合成された写真が一人歩きして,その都度合成写真が偽物であることを説明しなければならない精神的苦痛は計り知れません」,「このような合成写真がサイトを見た方やファンの方々にあたかも私本人の写真のように誤解されてしまうと思うと,恥ずかしさと悔しさとで,とても我慢ができません」などと述べて,本件各犯行について耐えがたいほどの恥ずかしさと悔しさを訴えているのも十分に理解できるところであり,本件各犯行によって本件被害者らが被った精神的苦痛には甚大なものがあったといわなければならない。しかも,このような本件アイコラ画像の被害に遭った芸能人は,14名もの多数に上っているのである。

3 そして,被告人は,本件掲示板のタイトル部分に「無修正アイコラなどの18禁画像を含んでおります。18歳未満の方は退場してください。」,「この掲示板は画像のアップロードが可能です。どしどし投稿お待ちしております。」との文言を記載して,未成年者にはみせられないようなアイコラ画像の投稿を呼びかけ,その結果,上記2に適示したような重大な事態を招いたものであるが,いわゆるバナー広告による広告収入の増大をもくろんで,かかる挙に出たというのであるから,その自己中心的かつ利欲的な動機は,厳しく非難されなければならない。

なお,弁護人は,被告人が刑事責任は,現にアイコラ画像を投稿した者に比べれば従たるものにすぎないと主張するが,被告人は,自らがアイコラ画像を掲載したことはないとはいえ,本件掲示板を開設した際にこのような事態になることを予想しながら,自らの利益のためにこれおw容認・慫慂し,そのため多数のアイコラ画像が掲載されるに至ったものであって,その刑事責任は,アイコラ画像を投稿した者に比してむしろ重いというべきである。この点に関する弁護人の主張は採用することができない。

(以下、今後追加)